大手企業の事業部長のケース

ニューロフィードバックトレーニングとコーチングは、相乗効果を生み出す名パートナーと言えます。

大手企業の事業部長。新規事業の立上げから1年ほど経過し期待に見合った業績結果が得られておらず、日々不測事態の対応も含め問題解決にあたっています。
脳波アセスメントをするととても速いベータ派が広い範囲に出ていて、過覚醒の状態です。睡眠も浅く眠れている感覚がなく、いらいら感のある毎日。一方でとても遅いデルタ波やシータ波も多く出ていてまるでアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。社長からは、毎日のように指示があり、また成果を求められるという高ストレスの状況に置かれています。本人は、もっと処理能力を高めて、問題を解決するスピードをアップしたいと強い要望がありました。

ニューロフィードバックトレーニングの効果性

脳科学的にビジネスパフォーマンスを捉えると、担っている仕事や取組む課題の特性により、適合した脳波の状態があるという立場をとります。このケースでは、複雑性の高い問題解決を期待されているので、ピークよりも若干抑制された状態の脳波によって、より成果が上がることが推察されます。
しかし、本人が求めるのは、より覚醒した状態。ともすると、より覚醒することがパフォーマンスを高めることになる、というパラダイムに縛られているのではないか。そのパラダイムに支配されている限り、仕事でのパフォーマンス向上は期待できません。パラダイムやメンタルモデル(信念体系・考え方)が変わらないと脳のコンディションを改善することができず、思考、感情、行動の在り方の結果として生産性・効果性の向上は難しいと言わざるを得ません。

同じ発達障害でも、大人よりも子供たちの方が、改善が早いというのも、囚われている思考の箍の強さが小さいからなのです。

それに加えて、神経・精神疾患者として仕事を休んで、治療に専念するのではなく、同じ高ストレスの環境の影響を継続しつつ改善していくことにチャレンジするのですから、メンタルモデルを変えることの難しが増してしまうのです。

コーチングの役割

コーチングは、クライアントに寄り添い、行動変容と定着化に大きな役割を果たします。今日のような高ストレス社会におけるビジネスパフォーマンスの向上やメンタルトレーニングでは、コーチングの技術を持ち合わせたニューロフィードバックトレーナーが不可欠と言えます。
特に、ニューロフィードバックトレーニングによる脳波の改善プログラムを行った際に、判断や行動選択の在り様を定着化する上でコーチングが威力を発揮します。先の事業部長は、左脳の前頭部を中心とした不安定な脳波の状態に対処し、複雑性への対応力、行動/実践力、計画/管理力に関するポジションと言語的認識や理解力を改善するポジションのトレーニングを充実させました。今、冷静で的確な判断の下に意欲的な姿勢で取り組まれ、クライアントや部下から「事業部長は変わった」「最近、活き活きとしている」と言われたそうです。